本稿で骨芽細胞は骨形成だけではなく、ホルモン分泌細胞でもある事を記した。骨は再生(骨芽細胞)と破壊(破骨細胞)によって常に更新されている。しかし、老化、ストレス過多、不摂生なライフスタイル等、種々の要因で破骨細胞優位になり、骨芽細胞の活性が妨げられる。E型コンドロイチンは骨芽細胞に直接働きかけ、オステオカルシン経由で生体形成に重要なホルモン産生・分泌を増強している事は従来より我々が述べている。しかし、破骨細胞に付いては全く触れていなかったが、フィセチンが破骨細胞の増殖を抑制して骨芽細胞の活性を増強して、BMPやオステオカルシンの他にも、腎機能を調節するFGF23やインスリンや糖代謝に関わっているリポカリン2(LCN2)の分泌も促進させている事を見出した。フィセチンは抗アレルギーや記憶増強だけではなかった。
骨芽細胞活性化因子としてのフィセチン
2017/04/06