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大石 一二三

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老化細胞の除去による健康長寿

2017/04/13

寿命の驚異的な進展で、健康寿命の重要性が求められ、種々の機能性食品が研究・開発されている。2015年に、FDAが老化防止効果を評価する臨床試験を承認した事で、糖尿病治療薬であるメトホルミンの抗老化作用の研究が開始した。従来から、個体の老化は細胞の老化であり、老化細胞は不活性で身体機能の劣化には関与しないとされていたが、種々のタイプのサイトカインを分泌して周囲だけではなく全体の細胞を傷つける。つまり老化細胞は老化促進因子であると考えられており、除去しなければならない。事実、遺伝子組換えでマウスの老化細胞を排除すると寿命が延びる事を発表している(Jan van Deursenら)。老化細胞は正常細胞と一緒に全身に分布している事から、分離して除去する事は不可能である。しかし、老化細胞にアポトーシスを誘導して除去する方法を見出した。アポトーシスを誘導する抗がん剤や、フラボノイドであるフィセチンやケルセチン、カロテノイドであるフコキサンチン等も高い老化細胞除去能を示すと考えられている。